
「雷吐炉屋」 さんのHP 邂逅画廊 (google.com)
月読命(つくよみのみこと・つきよみのみこと)とは?
月読命とは、日本の国土を作られ日本の八百万(数えきれないほど多く)の神様をお産みになった神である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)の禊によって生まれた月をつかさどる神様です。
月読命は一般的には 「つくよみのみこと」と呼ばれますが、伊勢神宮の月読神社では「つきよみのみこと」 と表記されています。他にも、ツキヨミ(月余美)やツキユミノミコト(月弓尊)など別名が多いことも特徴の1つです。
月読命の名前には、ツク(月の古語)とヨミ(1つずつ数える)といった意味が込められています。
江戸時代まで月の満ち欠けを利用した太陰暦を活用していた日本では、月の満ち欠けを教えて月日を知らしめてくれる神様として知られていたのです。
暦の神様であると同時に、農耕や狩猟の神としてもあがめられています。
月読命の出生って?
日本最初の夫婦神であり、日本を生み出した神であるイザナギが黄泉の国へ妻イザナミを迎えに行った過程で誕生した神です。
妻イザナミから逃げ帰ったイザナギが、黄泉の国の穢れを落とす時に左目から天照大御神(あまてらすおおみかみ)、鼻から建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)が生まれ、右目から月読命が誕生しました。
ちなみに、イザナキ自身が自らの生んだ諸神の中で最も貴い神としたところから天照大御神と 建速須佐之男命 、月読命を合わせて三貴子(みはしらのうずのみこ・さんきし)としたのです。
天照大御神と月読命は対となる昼と夜の神であり、後に天照大御神と月読命は、直接会うことが出来なくなる逸話があります。
月読命はどんな神様なの?
月読命は、天照大御神と建速須佐之男命と兄弟である夜の神様です。
少ない逸話の中に天照大御神との決別する話があります。
月読命は、ある時 天照大御神の命令で食べ物の神である保食神(うけもちのかみ)に会いに行きました。
ごちそうを出されて歓迎されますが、そのごちそうは 保食神 が口などから生み出した食べ物だと知ってしまいます。
怒った月読命は、剣で保食神を殺してしまうのです。
それを知った天照大御神は、怒って月読命と会うことを拒絶しました。
この決別によって、昼と夜が出来たという逸話が存在します。
また、月読命は夜の月を司る神様と言われていて、月は今のように夜でも明るく出来なかった時代では、唯一と言っていい夜を照らす光源でした。
なので、古くから船乗りたちに拝まれた航海の神とも言えるでしょう。

月読命の御利益とは?
月読命の御利益は、夜のとりわけ月に縁の深い神であるため、月にまつわるご利益が多いです。
特に出産などは、月の満ち欠けに関係があると言われていますので古くから信仰されています。
またツキとヨムとの事から、幸運を呼ぶ神様とも言われ、開運祈願にご利益があるとされています。
詳しいご利益の内訳は、以下の通りです。
五穀豊穣
豊漁主語
航海安全
安産
健康
開運
月読命を祀る神社ってどこにあるの?
月読命を祀る神社で1番有名なもので、伊勢神宮の内宮である「月読宮」があります。
この「月読宮」は、2つ存在しているのです。
1つは 天照大御神を祀る内宮の中となっています。
もう1つは、伊勢神宮外宮の豊受大神宮にもあるものです。
天照大御神を祀る内宮の中では、親であるイザナギとイザナミも祀られています。
他にも全国に月読神社があり、山形には月山の山頂にあり月山が開山している間だけ訪れる事の出来る「月山神社(がっさんじんじゃ)」があります。
月読命は謎の多い神秘的な存在
月読命の出生から祀られている神社まで紹介してきました。
月読命は、逸話や神話に出てくる回数は少ないです。
しかし、天照大御神と建速須佐之男命に並べるほど、メジャーで誰でも一度は名前を聞いたことのある神様と言えるでしょう。
情報が少ないので謎の多く神秘的なイメージを持つのは、間違いではありません。
むしろ、謎めいているので想像がかきたてられて、より詳しく知りたくなります。
興味のある方は、ぜひ月読命が祀られている神社を調べてみてお参りに行かれてはいかがでしょうか?