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少名毘古那神(すくなびこなのかみ)とは?どんな神様?逸話からご利益まで解説します。

「雷吐炉屋」さんに描いていただいた【 少名毘古那神 】一寸法師のイメージです♡
「雷吐炉屋」 さんのHP 邂逅画廊 (google.com)

少名毘古那神(すくなびこなのかみ)とは?

少名毘古那神は、高天原の重要神である造化三神の一柱である神産巣日神(かみむすひのかみ)の子とされており、海の彼方にあるとされている常世の国(とこよのくに)からやってきて、大国主神(おおくにぬしのかみ)と一緒に国造りを行い、常世の国へと帰ってしまった神様です。

常世の国は、古代日本で信仰された海の彼方にあるとされる異世界であり、永久不変や不老不死、若返りなどと結び付けられた理想郷であるとされます。

『古事記』では少名毘古那神、『日本書紀』では少彦名命(すくなひこなのみこと)と表記され、それ以外にも天少彦根命(あまのすくなひこねのみこと)須久奈比古命(すくなほこのみこと)小比古尼命(すくなひこねのみこと)など色々な呼び名があります。

少名毘古那神の出生って?

神産巣日神によると、「私の手の指の間から漏れこぼれ落ちた子です」とあり、天の羅摩船(かがみぶね=ガガイモの殻の船)に乗り、鵝(ヒムシ=蛾)の皮の着物を着ているとても小さい神様とされ「御伽草子」の一寸法師のモデルとも言われています。

少名毘古那神はどんな神様なの?

少名毘古那神は出雲の国造りの神話の中で、大国主神の優秀な相方として建国に大きく貢献しました。

出雲の国造りとは

大国主神が、どうやって出雲を建国しようかと頭を悩ませていた時に、波の彼方から天の羅摩船(かがみぶね=ガガイモの殻の船)に乗り、鵝(ヒムシ=蛾)の皮の着物を着ているとても小さい神様がやってきました。

しかし、この神様は大国主神が名前を尋ねてもまったく答えず、周りにいた人たちに聞いても誰も知りませんでした。

するとヒキガエルが「物知りな案山子(かかし)の久延毘古(くえびこ)が知っているでしょう」と言ったので、その久延毘古に尋ねると「この方は神産巣日神の子供の少名毘古那神ですよ」と答えました。

大国主命神産巣日神にお伺いを立てると、「それは私の手の指の間から生まれた子である。お前と兄弟となって、この国を造りあげなさい。」と言われました。

こうして大国主命少名毘古那神で国造りをすることにしたのです。

その他の伝説

ある日、大国主命少名毘古那神が伊予国(いよのくに=愛媛県)を旅していると、少名毘古那神が病気になってしまいました。

そこで、大国主命少名毘古那神を手のひらに乗せ、道後温泉の湯につからせるとたちまち元気になり「ましましいねたるかも(しばらく寝ていたようだ)」と叫んで、玉の石で踊ったという伝説があります。

ここに出てくる玉の石は、道後温泉本館の北側にある石の事だと言われています。
この石には、少名毘古那神の足跡が残っており、ひしゃくでお湯をかけてお祈りすると願いが叶うそうです。

また、神功皇后が詠まれた「酒楽の歌(さかくらのうた)」では

この御酒(みき)は 我が御酒ならず 酒(くし)の司(かみ) 常世(とこよ)に坐(いま)す 石立(いはた)たす 少名御神(すくなみかみ)の 
神寿(かむほ)き 寿き狂ほし 豊寿(とよほ)き 寿き廻(もと)ほし 献(まつ)り来し御酒ぞ 止(あ)さず飲(を)せ ささ

(このお酒はわたくしが醸して造り出したお酒ではございません
 神酒の司であり常世の国(不老長寿の国)においでになる
 石(神様の宿る場所)に宿る神様である少彦名様が
 言祝ぎ踊り祝い狂われ
 栄え言祝ぎ祝い舞い回りて
 献上して来たお酒なのですよ
 盃を乾かさずに召しあがれ さあさあ)

とあり、少名毘古那神が酒造の神として崇められていたことが伺われます。

少名毘古那神の御利益とは?

「日本書紀」では、山野に薬草を求める病気に悩む人々を治療し、鳥獣昆虫の災を払う禁厭の法を定め、民衆の災禍を防ぎ生命の不安から救ったとあるように、少名毘古那神はいわゆる医療薬学の祖神とされ、病気平癒や健康長寿のご利益があるとされています。

また、酒を造る術を考案された醸造の神としても、古くから崇められていて酒造繁栄のご利益もあるとされています。

この様に色々な知識をお持ちの神という事で、現在学問の神様と崇められている菅原道実や江戸時代の国学者の大家である本居宣長、平田篤胤などが生前に少彦名命を学問の神として篤く崇拝したことより、学業成就のご利益もあるようです。

  • 国土安穏
  • 五穀豊穣
  • 酒造繁栄
  • 健康成就
  • 病気平癒
  • 学業成就

少名毘古那神を祀る神社ってどこにあるの?

少名毘古那神を祀る神社ってどこにあるの?

少名毘古那神は共に国造りを行った、大国主命と共に主祭神として祀られることが多く、色々な御神徳のある神様なので、全国の多くの神社で祀られています。

医薬の神様という事から医薬品会社の集まる地区にある神社や、温泉の神様という事で、全国にある温泉神社にも多く祀られてます。

  • 少彦名神社(大阪府大阪市)
  • 酒列磯前神社(茨城県磯崎町)
  • 御嶽神社(長野県木曽郡)
  • 湯神社(愛媛県松山市)

少名毘古那神は御神徳の多い神様

一寸法師のモデルともいわれている少名毘古那神について紹介しました。
一寸法師の様に強くて賢いだけではなく、様々な御神徳のある神様である少名毘古那神
学問の神様である菅原道実が信仰していた学問の神様なので、ここぞの大切な試験の時などに少名毘古那神の祀られている神社にお参りにいかれてはどうでしょうか?