
「雷吐炉屋」 さんのHP 邂逅画廊 (google.com)
建速須佐之男命(たけはやすさのをのみこと)とは?
建速須佐之男命(以下「スサノオ」)とは、日本の国土を作られ日本の八百万(数えきれないほど多く)の神様をお産みになった神である伊邪那岐命(いざなぎのみこと)(以下「イザナギ」)の禊によって生まれた神様です。
建速須佐之男命の出生って?
日本最初の夫婦神であり、日本を生み出した神であるイザナギが黄泉の国(死者の国)へ妻イザナミを迎えに行った過程で誕生した神です。
妻イザナミから逃げ帰ったイザナギが、黄泉の国の穢れを落とす時に左目から天照大御神(あまてらすおおみかみ)(以下「アマテラス」という)、鼻からスサノオが生まれ、右目から月読命(つくよみのみこと)が誕生したのです。
ちなみに、イザナキ自身が自らの生んだ諸神の中で最も貴い神としたところから天照大御神と 建速須佐之男命 、月読命を合わせて三貴子(みはしらのうずのみこ・さんきし)としたのです。
建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)以外にも、素盞男尊(すさのおのみこと)、速須佐之男命(すさのおのみこと)、須佐之男命(すさのおのみこと)、神須佐能袁命(かむすさのおのみこと)、牛頭天皇(ごずてんのう)などとも呼ばれます。
建速須佐之男命はどんな神様なの?(ざっくりかんたん解説!)
スサノオは父であるイザナギに地上を治めるよう言われますが、黄泉の国にいる母であるイザナミに会いたいと地上を治めようとはせずに泣いてばかりいます。
スサノオが地上を治めずに泣いてばかりいるので地上は荒れ果ててしまい、怒ったイザナギにスサノオは地上を追放されてしまいます。
地上を追放されたスサノオは天界にいる姉であるアマテラスに別れの挨拶をしに行きますが、アマテラスはスサノオが攻めてきたと勘違いをします。
その疑いを晴らしたスサノオは天界で次々と乱暴な行いをし、アマテラスが可愛がっていた機織りの娘が亡くなるという事件が起きました。
アマテラスはショックで「天の岩戸」に閉じこもってしまいます。(これが「天の岩戸伝説」です)
そして天界の神々の怒りをかったスサノオは天界も追放されてしまうのです。
天界を追放されたスサノオは出雲の地に降り立ちます。
そこで、娘の櫛名田比売(クシナダヒメ)が「やまたのおろち」の生贄になってしまうと泣いている老夫婦に出会いました。
娘のクシナダヒメに一目ぼれをしたスサノオは「やまたのおろち」を退治したらクシナダヒメと結婚させてくれと老夫婦にお願いし、「やまたのおろち」を退治するのです。
そして、「やまたのおろち」を退治した時に、「やまたのおろち」のしっぽから剣が出てきたので、これをアマテラスに献上します。
この剣が天皇の皇位のしるしとて受け継がれている、三種の神器(さんしゅのじんぎ)の中の一つである草薙の剣(くさなぎのつるぎ)なのです。

そして、出雲に宮殿を建てクシナダヒメと幸せに暮らし多くの神々を生み出しました。
この宮殿を見てスサノオが詠んだ和歌が、日本で初めての和歌と言われています。
八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を やくもたつ いづもやえがき つまごみに やえがきつくる そのやえがきを
(八重の雲がわきおこる 出雲の地に
妻を籠らせるために 八重の垣根を作って
しっかり妻をまもろうぞ)
建速須佐之男命の御利益とは?
スサノオのご利益としては、食物の神様を殺め、その事があって私たちの食べる五穀が出来たという事から五穀豊穣のご利益や、荒ぶる神という事で病難除け、「やまたのおろち」を倒しことから厄除け、クシナダヒメと夫婦仲睦まじく暮らした事により縁結びや、夫婦円満、家庭円満、日本で初めて和歌を詠んだことから学問上達などのたくさんのご利益があるとされています。
建速須佐之男命を祀る神社ってどこにあるの?
・熊野大社
島根県松江市の熊野大社にはスサノオと妻であるクシナダヒメと母であるイザナミノミコトも祀られています。
また、毎年10月15日に行われる神事である「亀太夫神事」では、日本で初めて神様であるスサノオから火を伝えられた神社である熊野大社に、出雲大社が火を起こす道具を借りに来ます。
出雲大社の神官がお餅を持って火起こしの道具を貸して下さいと頼みに来るのですが、熊野大社側はそのお餅に難癖をつけ「これでは神餅と言えないので作り直してくるように」と言います。出雲大社側は何を言われてもずっと頭を下げ続け、貸してくれると言うまで頭を上げません。
熊野大社側が毎年時事に関した条件を出し、その約束を守るならとやっと餅を引き取ってくれ、火起こしの道具を貸してくれます。
この後、出雲大社の宮司が神前で舞を奉納されます。
この他にも全国にある八坂神社、祇園信仰神社でも主祭神としてお祀りされています。
京都の八坂神社ではスサノオノミコトをあらゆる災いを祓う神様として信仰しており、7月の約1か月間行われる祇園祭では様々な神事が行われます。
建速須佐之男命は御神徳の多い神様
建速須佐之男命について紹介しました。
スサノオは荒れすさぶ神として生まれましたが、高天原を追放された時に神々からの禊を受け正義感が強く知恵が働く神となったようです。
スサノオをお祀りする神社は全国にありますので、厄払いや疫病退散の願いを込めてぜひお近くの神社をお参りされて下さいね。